ARTIST REVIEWS
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大沢 伸一
音楽家、DJ、プロデューサー、選曲家。
主な活動はMONDO GROSSO、RHYME SO、Thousand Tears Orchestra。
リミックスワークを含むプロデュースワークでBOYS NOIZE、BENNY BENASSI、ALEX GOHER、安室奈美恵、JUJU、山下智久などを手がける他、広告音楽、空間音楽やサウンドトラックの制作、アナログレコードにフォーカスしたミュージックバーをプロデュースするなど幅広く活躍。
2017年14年振りとなるMONDO GROSSOのアルバム『何度でも新しく生まれる』をリリース。
iTunesアルバム総合チャート1位、オリコンアルバムランキング8位、満島ひかりが歌う「ラビリンス」はMVが2000万回以上再生されるなど音楽シーンの話題に。
2018年には続編アルバム『Attune/Detune』もリリース。
サントラ担当作品にTVアニメ「BANANA FISH」、映画「DINER」など。
▶Official ▶Twitter ▶Instagram ◆Twitter:RHYME SO
アルバム制作中にスタジオのワイアリングのブラッシュアップを敢行。アルバムが完成し、このブラッシュアップが大沢氏の制作にどのような影響をもたらしたのか。さらに大沢氏の制作のスタイルまでお話を聞くことができた。
Shinichi Osawa(以下S.O):いえいえ。そういえばエージングが進んできて、音がちょっと地味になってきたような気がしますね。
S.O:そうそう。
S.O:でも、すごくいい音してますよ。
OY:最初は昨年末に、今度のアルバムの制作中に一気に変えたんですよね。途中で環境が変わったことで、やりづらくなったりということはなかったですか?
S.O:いや、全然なかったですよ。最終的に全部の曲を落とし直してるんで、そういう意味でも全然。
OY:なるほど。途中で変えても、モニタリング的により音が見えてきて良い方向に進んでいった?
S.O:まさにその通りですよ。
OY:最初変えたのはモニタースピーカーのラインケーブルをPA-02に変えたんですよね。その後、電源ケーブルをバンバン変えていって。
S.O:電源ケーブルによる出音の変化は本当に大きいですよね。
OY:その中で、MACKIEのモニタースピーカーにはフラットなBLACKMAMBA-αを選んでます。これは音を良くするというよりもフラット特性の再生音の忠実さが特徴です。
S.O:モニタリングはやっぱりもの凄く大切で。ボクがモニタースピーカーでMACKIEを使っている理由も他のメーカーのモニタースピーカー、なんていうか派手にアガっちゃうサウンドキャラクターのモニターよりも、フラットでなおかつキチンとボディーがしっかりと鳴るものが好みだったんで。
だからそこが電源ケーブルで派手になっちゃったら意味がないんだけど、「そのまま」で良くなったので。
OY:電源ケーブルは色付けのないフラットなBLACKMAMBA-αで、というチョイスはハマったんですね。
S.O:そうですね。
OY:その後メインのMACとI/OのMIXERを変えていったのですが、ここはよりパンチがあって、さらにその機材の特性を引き出せるものに、という意図でTUNAMI GPX-RとTUNAMI GPX。
S.O:実際スタジオでは制作作業を直前までやっていたので、電源回りを変えて音の変化は顕著に感じました。密度が上がったというか、総合的にスケールアップしたサウンドになりましたね。
この流れでアナログのアウトボードの電源も変えてみたんですが、ここは逆にきれいになりすぎちゃって戻したんです。
OY:そうでしたね。このアウトボードは電源を試す前にシールドをQAC-202に変えて、すごくいい方向に変化して。
S.O: いい感じに、すごく音楽的にブーストしてて。
OY:その流れで電源も変えてみたら、今度はクリアで良くなりすぎちゃって。音楽的な雑味まで取ってしまっては。
S.O:やっぱりそのトラックが音楽的にいい方向にいくかどうかが基準だから、良くなりすぎて損なわれるものがあるなら、「変えない」という選択もあります。
ただ、エージングが進んで落ち着いた環境になってきたので、今だったら変えてみてもいいかもしれませんね。変えた直後に比べてだいぶ重心も下がってきましたし。
試してみたいです。
S.O:僕の場合ミックスダウンということじゃないんですよ。曲を作りながらミックスもしているので、ここまでがトラック作りでどこからがミックスダウンでというのがなくて。
作業そのものが全てトラッキングで全てミックスで。
S.O:そうですね。フレーズ一つとってもその時点で最終的な音が決まっていかないといけない。だから常にトータルコンプもかけた状態で作業してますし。
S.O:今鳴っている音が気持よくなかったら先に進めないんですよ。これは後からエンジニアリングでなんとかしようっていう風にやっちゃうと、もうその時点で先に行けなくなっちゃう。
S.O:そうですね。作業が凄くやりやすくなりましたね。小さい音でやってても作業しやすくなった。
S.O:僕はもともと長く時間をかければ良いものができるとは思っていないので。やっぱり最初のアイデアがベスト、ということが多いです。
そういう点も含めて、作業効率は上がったと思います。
S.O:そうですね。僕の場合はそんなに高価なアウトボードの機材がたくさん必要ということではなくて、モニターの環境がいかに自分に合っているかということが重要なんですよ。
それは今回の電源ケーブルやシールドだけではなく、鳴ってるハコ、スピーカーとどんな音がどんな音量で鳴るか、最終形をイメージして。
だからサブウーファーも必須ですし、そういった意味でも僕にとってモニター環境は非常に大事なんです。
S.O:最近は人のアルバムをエンジニアとしてミックスしたりしてるんですが、普通に僕がバラして、この環境でほとんど手を加えずに、このスタジオのシステムを通すだけで音が変わってくる。
環境の影響が出ているんですね。これだけでいい具合に重心が下がってきます。でも何がどう作用してこうなったということは、普通の人がパっと聴いて認識できるようなことじゃないと思うんですよ。
特に僕の場合トータルにもいろいろ使ってますし。なので何がそうさせているかはっきり言えないんですが、総合的に一段レベルの高い環境になってる。
S.O:そうなってますね。
S.O:今の時代の作曲にはエンジニアリングの知識が当然必要だし、サウンドプロダクションにまったく関与せずにやっていくというのは、限られてきてますよね。
S.O:なので、より良いモニター環境作りはクリエーターにとって大切なポイントになってきてますよね。
S.O:国内盤は13曲ですね。
S.O:そうですね。全曲に反映されてます。
<2010年6月 大沢氏スタジオにて>
2010.06.30 RELEASE CD
1.LOVE WILL GUIDE YOU feat.TOMMIE SUNSHINE
2.SYLKILL
3.ZINGARO
4.HEART GOES BOOM feat. THE BLACK GHOSTS
5.PIANOCTRO
6.TECHNODLUV
7.BUTTON!!
8.SINGAPORE SWING feat. PAUL CHAMBERS
9.BBG BBB
10.1MORPHY
11.PARIS
12.LONDON (HOMES NOT WHERE YOU LAY YOUR HEAD)
13.THANK YOU FOR YOUR LOVE
14.ADDICTED TO THE BASSLINE
CD
01. One Temperature[Vocal:Big-O]
02. TURN IT UP[Vocal:大橋トリオ]
03. 偽りのシンパシー(Album Mix)[Vocal:アイナ・ジ・エンド(BiSH)]
★TBS系 火曜ドラマ「きみが心に棲みついた」挿入歌
04. KEMURI[Vocal:ACO]
05. ̶ Attune / Detune ̶
06. KEMURI (Retune)[Vocal:RHYME]
07. ERASER (FRF 2017 Rearrangement)[Vocal:二神アンヌ]
08. ラビリンス (Thousand Tears Orchestra Instrumental)
09. 惑星タントラ / やくしまるえつこ
Blu-ray
※3Dサウンド採用、Blu-rayの高画質で収録!
・偽りのシンパシー
・ラビリンス
・惑星タントラ
・SEE YOU AGAIN
・TIME
・TURN IT UP
・春はトワに目覚める
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