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「それって何をしているかというと、”出来ないこと”を練習しているんです。」(BOH)

課長:曲の覚え方とか、どうされているんですか?ものすごいたくさんの現場で、ものすごい数の曲を覚えるじゃないですか。覚え方や工夫していることはありますか?
BOH:反復練習です。
課長:ひたすら反復練習あるのみですか?
BOH:僕が取り入れている練習で、10分でスパっと切り替える練習方法があります。10分あったら1曲を2回くらいまわせるでしょ。そこで曲の切りが悪くても10分間弾いたら止める。止めたら次の10分は本を読んだり、自分の好きなことをする。それも、切りが悪くても10分。10分たったら練習を始める。僕はバイクが好きだったり、料理が好きだったりするんですけど、この10分切替練習を延々ひたすら繰り返すと、好きな趣味も覚えられるし、仕事も捗ると。
課長:あぁ、なるほど。そういう反復練習なんですね。
BOH:曲が10曲くらいだったらそんなことしなくても、1日でなんとなくは出来ますけど、ニコニコ超パーティーみたいな、1ヶ月で60曲くらい覚えないといけないようなものだと、本番で譜面見た時に、これなんだっけ?ってことがあるんですよ。そもそもそんなに一度に渡されたら、曲名とどう弾くのかが一致しない。そういう時こそ、10分毎に切り替える練習。
課長:10分で区切って練習と好きなことを交互にやっていくと。
BOH:人間って、ひとつのことをやり続けるための集中力がそんなに保たない。だったら、わざとひとつのことをやらなければいい。10分で区切った練習じゃない方の10分は、好きなことをしているわけだからストレスも貯まらない。
課長:3時間くらい練習していても、結局半分くらいはやったんだかやってないんだかわからないな、って時あります。3時間のうち、どれだけ集中して練習出来ているかわからないけど、このやり方だと半分の1時間半はすごく集中しているわけですね。
BOH:休まないといけないんです。たまに、練習してもなかなか弾けない難しいフレーズが、朝起きたら弾けるようになった時ってありませんか?
課長:ありますあります。
BOH:あれ、休んでるからなんですよ。整理できてる。
課長:寝てる間に整理してるんだ、脳が。すごい話ですよ。これはもう音楽の域を超えた話です。ちょっとこのやり方、実践してみたい。
BOH:この練習、曲を弾き始めると、え、まだ全然切りよくないし、まだまだ出来るのに、ってなるんです。だけどそこで、わざとやめる。曲の途中でもやめる。これからベースが一番美味しいフレーズなのに、でも、10分時間がたったからやめる。そこはタイマーを使います。タイマー使わないと、なぁなぁになって、あと1曲くらいいいか、あと1回くらいできる、っていう、慢心が出てくるんです。だからタイマーで強引に切り上げる。
OY:ギタリストやベーシストはガッツリ時間とって練習やりがちですから。
BOH:できないことって繰り返して練習しちゃうじゃないですか、何度も続けて。それって何をしているかというと、”出来ないこと”を練習しているんです。間違えるクセをどんどんつけてる。そのうち指が間違っておぼえて自然と間違ったことを弾けるようになります。
課長:指が覚えてしまうのかぁ。目からウロコってやつです。この話もっと早くききたかったです。これはキッズ達にこそ、知ってもらいたい。オヤイデのインタビューなのにためになる練習方法載ってるよ、って。

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