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「やっぱりDMC JAPANはずっと獲りたいと思っていたんです。DJを始めたきっかけだったので、それをスルーしたら成仏できんなと。」

DJ HI-C

盟友・DJ YASAとのターンテーブルユニット「Kireek」結成して、『DMC World DJ Championships』のグループ部門で日本代表として 出場し、前人未到の5連覇の快挙を達成。(2007年-2011年)そして2014年にはソロとしてDMC World DJ Championshipsに臨んだ。既にNEOユーザーであるHi-Cに2014年のDMC Championshipsの事やDJ活動、そしてNEOのケーブルについてお話を聞きました。

OY:DMC JAPAN大会の優勝おめでとうございます。
すでにKireekでDMCのグループ部門、世界大会5度のチャンピオンに輝いた素晴らしい経緯がありますが、あえてソロ分門にチャレンジするのは、やはりソロとグループでは違うものを感じていたからでしょうか。

Hi-C:もともとバトルDJを始めたきっかけはDMC98年JAPANFINALのビデオを見たことで、単純に勝ちたく何回かソロで挑戦している途中で、Kireekを組んで世界5連覇したのですが、やっぱりDMC JAPANはずっと獲りたいと思っていたんです。DJを始めたきっかけだったので、それをスルーしたら成仏できんなと。うちの相方は既にJAPANファイナルを獲っていて、自分は負けず嫌いなので、とりあえずやってやろうと思っていたけど、みんなは「世界5連覇したのだからいいやろ」って言うんですよ。でも自分自身は全然良くないし。
そうこうしていたら一度DMC大会が無くなってしまい「えっ!!」っていう感じだったのですが、去年(2013年)に復活が決まり、その時に出場したかったんですよ。ただそのDMC JAPANの復活の手伝いをしたり、KireekでDVDリリースしてツアーを廻ったり、結構周りからも止められたりして、他にやることも色々あったので状況を考えて出ませんでした。そうしたらその年に優勝したのがうちのレーベルのFUMMYで、それを目の前で見てさらに出たいなと思ったのです。それで気持ちの準備だけはして、今年(2014年)に入って、未だルーティンは出来てなかったけど、とりあえずみんなに「出るわ」と言いふらして、出ないとアカン状況を自分で作り出して出場しました。
 
OY:今後に向けて新たな抱負、またはDMC世界大会のリベンジなども考えられていますか。

Hi-C:今後の抱負はKireekで、でかいステージに上がりたいので、まずアルバムを制作してリリースすること。1人では出来ないことでも2人なら出来るという事をお互い良く分かっていて、互いのソロでも違う色があって人をロックする自信はあるのですが、2人だったらソロの何倍も盛り上げられるという自信が2人ともあるのですよ。それで日本のターンテーブリストが今まで辿りついた事のないステージまで行きたくて、例えばプライベートジェットで移動してスタジアムで、他のアーティストがやらないような、出来ないようなターンテーブリズムを基調にしたDJのlivesetをガッツリやりたいです!
先日CM撮影をしたのですが、すげー面白いなって思ったんですよ。音源を自分らで制作してクライアントに聞かせ、「やばいね、ここ使おう」とか「ここはもうちょっとこうしてほしい」とかあって。 今までは「俺らのやつヤバイやろ」っていうだけだったけど、内容を合せるというのも仕事としてあるんやなと。それでいいもんができたら人の目に触れることが増えるじゃないですか。それでさらにやる気になったんですよ。
まずはKireekで行けるところまで行こうと。世界中で遊びたいですからね。(笑)

もちろんそれと並行しながらソロでDJもやりつつ、DMCもその日が来たらもう一度出ますよ。
正直、今回出発前に仲間内に見せて、みんなの反応もよく、いける!って言う応援ももらって、すげー自信のあるままロンドンに乗りこんで臨んだら、ジャッジには全くうけてなかったという結果で。
 
OY:それはテクニックではなくて、現地の感性と合ってなかったということですかね。

Hi-C:まさに。ジャパンファイナルのときはみんなが知っている曲でルーティンを作って、例えばイントロでZeebraさん達の「公開処刑」を使い、うちのレーベルのFUMMYがディフェンディングチャンピオンだったので、ジャグリングして狙い撃ちにしたのですよ。それで盛り上がり、そのあともみんな知っている曲を組み合わせて「おぉ!!!」っていう瞬間があったりして。 またヒップホップのライターの人も来ていて「あれ凄かったよ」とか言われたけど、そういう要素をロンドンに持っていかなかったのですよ。そういう事ことが必要かなと思いました。
ちょっと違うテイストでおもろいかなって思ったので、「腹きり」「忍者」「サムライ」「スシ」とか外人が知っている日本語を並べてやってみたけど、いまいち伝わってなかったなあと。
現地のみんなが知っている曲でやることも大事だし、ロンドンでやるっていう意味合いを考えないとアカンなぁと思いました。今回その頭のルーティンで針飛びしてしまい、リカバリーに時間取ったり、いつもはチェックする場所スルーして本番に挑んだりで、超悔しかったけど、次に活かせるなという事は見つかったので、次は全員ぶっ倒しに行きます!!!


 
HI-C Kireek
 

 
OY:HI-Cさんは確か3年くらい前からd+ケーブルを使用していると思いますが。

Hi-C:いや、2010年の世界大会から持っていったので4年前です。
 

OY:少し話を聞いたのですが、 大会の時に他の参加者や審査員たちもケーブルに興味があるとか。

Hi-C:めっちゃ、ありますよ。2010年に逸話があり, Kireekでd+ ケーブルを挿していたら、ジャッジにいたグランド・ウィザード・セオドアが「このケーブルなんだ?ケーブル恰好いいな、とりあえず1ポイント入れとくよ」みたいな感じで。(笑)
Hiphopを始めたような黒人の方々って、意外と機械系が大好きなので、こういうのに反応するのですよ。ケーブルがガンダム見たいって言ってました。(笑)
KireekでDJとして廻るときも、リハによくケーブルの事を聞かれ、おれらはきしめんケーブルって言ってます!

HI-C

 


OY:もちろんバトルの大会だけではなく数多くのパーティーでDJをしていると思いますが、大会とパーティーのDJでは、プレイする際の考え方は全く違うものですか?
Hi-C:大会は勝つこと前提に、お客さんが“のれる“ルーティンを心がけているのですよ。クラブプレイのときは、始めに10分くらいショーをしてお客さんを引き込んで、そっからクラブプレイをするけど、そのプレイ中でもルーティンの要素を入れているので、クラブプレイの方が余すことなく見てもらえるのかなと。バトルだと6分とかで終わっちゃうじゃないですか。クラブプレイなら、頭10分くらいルーティンを放り込んで、クラブプレイ中でもそういう要素をちょいちょい入れたりするのです。昔はなかった感覚なのですけど、最近は自分が踊ることが楽しくなってきて、パーティーなので心がけているのは踊ってほしいなあと。
 
OY:パーティーのDJのときにもd+ケーブルを使用していますか?

Hi-C:もちろん、いつもオヤイデのケーブルセットを持っていっています。Kireekのときはミキサーを3台使うので、自分とYASAのミキサーからd+ケーブルで真ん中のミキサーに繋いでいます。ソロのときはd+USB をミキサー(Native Instruments Z2)とコントローラー(Native Instruments X1とF1)とで使っています。
 
OY:実際使用して、通常のケーブルと比べ音質の変化などは感じられていますでしょうか。

Hi-C:このd+ RCA class Bは接続も安定しているし、キャノンのd+ XLR class Bは音がでかく感じるので、と言うか実際出力もかなりデカくなるので本当にびっくりしています。すげーいい感じですよ。
それとSeratoを使っているときに、普通の黒いUSBケーブルだとコンピュータが落ちることがあったんですよ。Kireekで出場した2009年の世界大会の時もUSBケーブルが問題で落ちてしまったことがあったり。でもそういう事がd+USBに変えてから無くなりましたね。
 

DJ HI-C from KIREEK 2014 DMC WORLD FINALSET
これがHI-Cのdmc worldfinal”で披露したルーティン!!!

 

PROFILE

幼い頃からよく耳にしていたTVゲームの音楽や、TV番組から流れる音楽に影響を受け育ち、一時は暴走族になるという経験を経て、ゲーム(ビートマニア)をたまたまゲームセンターで見かけた事がきっかけにDJに興味を抱きDJ人生スタート。様々なジャンルの音楽を聞き吸収しながら身につけた独自の音楽性、それらを再構築するビートジャグリング、暴走族時代のアクセルワークで鍛えられた腕から繰り出すスクラッチを持ち味に数々のBattleに参戦。
2002年Teen’s Dj Championshipsで優勝を掴み取るのを皮切りに翌2003年にはVestax Extravaganzaで日本Championとなり、さらに翌年行われたWorld Fainalでは3位に入賞。
同年、盟友YASA(2006,2007 DMC WORLD 2nd)とターンテーブリズムユニット『Kireek』を結成する。
2005年Vestax Extravaganzaにて二度目のJapanタイトルを獲得すると、その勢いで臨んだWorld Fainalではアジア人初の Vestax World championに輝く。
2007年、日本が誇るビッグレイヴ FUJI ROCK FESTIVALにKireekで出演。同年ロンドンで開催されたDMC World DJ Championshipのチーム部門で初出場にもかかわらず並み居る強豪国を抑え世界チャンピオンの栄冠をつかみ取る。その勢いはとどまることを知らず、2008年、2009年、2010年にディフェンディングチャンピオンとして出場し、日本初の世界チャンプ4冠の偉業を成し遂げ、世界記録に到達。そして遂に2011年、ロンドンにて前人未到の世界5連覇に挑戦し、結果ジャッジ全員がKireekに1位をつけるという完全優勝で世界新記録を更新し、不動の地位を確立する。
満を持して2012年8月18日、DJ HI-Cとして自身初のfirst mix 「Enter The Dragon」が世界に向けて配信開始!
今までの体験を元に選び抜かれ、そのターンテーブリズムセンスで再構築されたジャンルを超えた楽曲達が聴く人々を新たな次元へと誘う。
2013年3月14日にはKIREEK初の映像作品、”KIREEK TV”全国リリース、その後14カ所の全国ツアーを行い、映像とスクラッチを織り交ぜた最先端なLiveで各地に来場したオーディエンスを虜にした。
そして2014年8月23日東京で開催されたDMC JAPAN FINALにおいて念願だった自身初のDMC Soloでの優勝をつかみ取る。
現在、DJ、Liveショウケース、セッション、音源制作など、日本だけにとどまらずアジア、ヨーロッパなど世界にも活躍の場を広げ、地球を舞台に進化し続けるレペゼン日本のターンテーブリストである。

[Titles]
2002 Teen’s Dj Championshios Champion
2003 Vestax Extravaganza Japan Champion
2005 Vestax Extravaganza World Champion
2007 DMC Championship Team World Champion!
2008 DMC Championship Team World Champion!!
2009 DMC Championship Team World Champion!!!
2010 DMC Championship Team World Champion!!!!
2011 DMC Championship Team World Champion!!!!!
2014 DMC Championship Japan Champion

▼DJ HI-C from KIREEK 2014 DMC WORLD FINALSET
これがHI-Cのdmc worldfinal”で披露したルーティン!!!

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