COLUMN

Interviews

鍵盤弾き。それが一番人からほめられるからね(笑)。ギター弾くとうるさいっておこられちゃう。(堀江)


OY:今回ハードウェアはどのくらいの割合を占めているんですか?

堀江:今回ハードウェアたくさん使った気がするけど、実は案外ソフトも多かったよ。
 
OY:この部屋を見ちゃうとハードが大半を占めているのかな、なんて思っちゃいますけど。

堀江:ソフトシンセはLogicの中ではけっこう使ったし、さっきのオルガンの「MACKY-D’s AVENUE」なんかはソフトシンセのB4で弾いた。B4でどこまで本物に迫れるかをずうっと凝ってやってた。
 
OY:けっこうアレですね、インナーワールドですね。

堀江:(笑)。そうだね、インナーだね。
 
OY:作品もインな印象受けましたし。僕はいろんな方とコラボレートしてにぎやかなアルバムを想像してたので、逆なんだーって思いました。それと堀江さんからこういう作品がアルバムとして出てくるルーツはどこにあるんだろう、って興味があったんですよ。堀江さんがメインになるんだったら基本はNEIL AND IRAIZAだろうと。

堀江:いつかね、近いうちに(笑)でもLIVEで人前にはよく出てるから、今回は、その感じはいいやっていう(笑)。
 
OY:でも今日お話きいてるとその辺もなるほどー、としっくりきましたね。

堀江:90年代前半のSTUDIO APES”やってた頃の音が、元にあるってなると、今回のアルバムって、なるほどなるほどでしょ。今どんな音が時代の音なのかというよりも、自分が経てきたものを表現した、そんな感じかなと。
 
OY:ちなみにギターは自分で弾いたんですか?

堀江:今回自分ではギター弾かなくて、大学の時からいろいろ影響うけたTICAをやってる石井マサユキさんに弾いてもらいました。自分の家でギターがいい音でいっぱい録れるんだったら、ガンガン弾いてギターアルバムになってたかもしれないけどね。
 
OY:でもやっぱり堀江さんというとキーボーディスト。

堀江:そうね、たまたまここにキーボードがいっぱいあるし手っ取り早いし。
 
OY:アイデンティティーとして自分はキーボーディストだというのはやっぱりあったりするんですか?

堀江:うーん、鍵盤弾き。それが一番人からほめられるからね(笑)。ギター弾くとうるさいっておこられちゃう。
 
OY:(笑)
horie_005_800

 

鍵盤をぽーんと、コードおさえた時にメロディーはすぐ浮かぶ。(堀江)


堀江:でもあれだね、10年前だったらスタジオ行かないと録れなかったことが、今、2010年代になって自宅でも録れる環境が整ったっていうのは、ソロアルバムをつくるチャンスだなと思ったし、そうなった理由のひとつにケーブルで音が底上げされたっていうのもあると思う。普通にシールドケーブルもそうだし、電源ケーブルなんか特にね。インターフェイスやプリアンプなんかも本当に良くなってるし。
 
OY:その辺りのハードウェアの性能が上がったことと、価格が下がったこと、

堀江:コンピューターがフリーズしなくなったこともね。
 
OY:実際に弾く人間として、レーテンシー問題はどうでしたか?

堀江:案外気にせずいけるようになった。もうぜんぜんダメってことはなくなったかな。2000年代はソフトウェアが進化してソフトシンセもばんばんでてきたけど、レーテンシーとの戦いが常にあったでしょ。その点、今使ってるLogicに関していえばオルガンのグリッサンドとかも全然問題ないなと思えるまでになってる。
 
OY:鍵盤を叩いてる感覚と聞こえる感覚にズレがそんなになくなってきたと。

堀江:そうなんだよね。
 
OY:ところで曲をつくる時は、さぁメロディーつくるぞ、って取り組むというよりも、いろんな楽器を鳴らしてそのコード感から浮かんでくるんですか?

堀江:鍵盤をぽーんと、コードおさえた時にメロディーはすぐ浮かぶ。
 
OY:考えるというよりもぽーんと。

堀江:逆にリズムとかは全然浮かばない。いわゆるクラブトラックをつくる人はリズムから浮かぶのかな?
 
OY:リズムがきて、そこからいろいろ乗せていくっていう人多いですよ。

堀江:僕はそういう発想というか、今までどの曲でもリズムからできたことはないなぁ。全部チチタチチチタチな感じで、子供みたい。メロディーはすぐ浮かぶからメロディーはたくさん試してるね。
 
OY:メロディーもそうですけど、どの楽曲も音色がすごく多いですよね。

堀江:そうね。ソフトシンセになってからその傾向は強くなった。こんだけハードがたくさんあるけどソフトのクオリティーが高くなってきてこっちもいろいろ試せるし。
horie_001_800

PageTop