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「床下にも遮音パネルひいて、壁も遮音パネル貼った上に吸音ボード」


OY:Caravanはここでレコーディングとかもするんですか?

Caravan:ここがね、一ヶ月くらい前にできて、楽器や機材が運び終わって、ぼちぼち録りはじめてますよ。

OY:Vocalからぜんぶ録る感じ?

Caravan:そう、マイクにはこないだ作ってもらったPA-02を使ってます。あと出音を一度DJミキサーにまとめるっていうのが昔からのクセで、そこからパワードモニターに。

OY:今でも(AKAI)MPCとか使ったりとか?

Caravan: うん、使ってます。ビートはMPCで、ループとか。結局波形でもループの編集とかできるんだけど、なんかキッチリしすぎちゃうっていうか、グリッドが見え
るとやっぱ合わせちゃうんだよね。だからMPCでビート作った方が、感覚で。それをPro
Toolsに流し込んでみると、2拍目が重いとかさ、3拍目が突っ込んでるとかがカタチになって見えて。そこで一回直したくなるんだけど、いやこれはさっ
き良かったんだからいいんだ、って自分に思い込ませて(笑)。

OY:そういう作業で、たとえばMPCの電源ケーブルを変えたりとかは?

Caravan:MPCの電源ケーブルはね、最近L/i50 V4にしたんだ。プラグが真鍮の。

OY:L/i50シリーズ・ラインナップの一つですね。さっき堀江さんが話したL/i50 OFC R2.5は、ケーブルはV4と同じで、コネクターが銀色のL/i50 G5と同じで、プラグがPanasonicのホスピタルグレードにしてます。組み合わせをちょこちょこ変えていて、そのちょこちょこ組み合わせを変えているだけでキャラクターが結構変わったものになるんですよ。

Caravan:あと、楽器のメインの電源だけ壁コンセント買いましたよ、オヤイデで。

OY:ウチでそれぞれのパーツを買って、作ったってこと?

Caravan:そうそう。前と比べてないからどう変わったかは判らないけどね。このビル自体電圧がちょっと危うい気がするから、少しでも良くしておきたいなと思って。
堀江:壁とかも自分で防音や吸音材貼ったりしたの?
Caravan:知り合いの大工さんと一緒に。

OY:凄いっ!防音もDIYしたんですかー。ばっちし?

Caravan:全然大丈夫。床下にも遮音パネルひいて、壁も遮音パネル貼った上に吸音ボード(パネル)だから、結構大丈夫。

OY:堀江さんは家で作業するときは防音とかは?結構音出します?

堀江:出す時は出すね。
Caravan:堀江くん出すよね。自宅の音量じゃないよね(笑)。
堀江:聴くときは、デカいね(笑)。

OY:そうなんだ~(笑)。

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「エラーとか、そういうストレスは”ホント”に出来るだけ避けたい。」

堀江:あと、自宅で聴くと言えばさ、オレンジのUSBケーブル(classA)がすごく気に入ってる。
Caravan:あー、それすごい気になってる。
堀江:USBケーブルっていうのは、あれなんだね、全然違うんだね(笑)。

 ─OY:あれはですね、バスパワーで給電してると本当に顕著なんですよ。

堀江:あー、それで血が通ってるように感じになるんだ。最近は音楽聴くときもデータものが多くなって、いつもはその辺にあるヤツを使ってたんだ。普通にCDとか聴くような感じでどのソースもプリアンプにまとめちゃってね。また違う音質なんだけどね、CDやレコードとは。

OY:iTuneとかで?I/O経由で聴いたりしてるんですか?

堀江: /Oを経由することもあるし、あとはミキサーに最近ついてるものがあって、Allen & HeathでUSBがついてるものがあって。

OY:なるほど。ちなみにclassAは出音が素直なので、制作にはいいかもしれないですね。

堀江:classSはより深いというか、周りのシステムも全部良くしたくなっちゃう。

OY:classAは汎用性が高いというか、どういうシステムでも合わせやすい。Caravanもどう?試してみません?

Caravan:もうぜひぜひ。USBはすごく気になってて。今もう作業環境も変わってきたから、必要になってくるよね。Firewireは?ある?

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OY:ありますよ。digidesign003はFirewireですもんね。

堀江:Firewireも何種類かあるよね?
 

OY:そうですね。400-400と400-800、あと800-800も。

堀江:ネイティブベースのI/OだとFirewireのI/Oけっこうまだあるんだけど、ケーブルがないんだよね。
Caravan:そうね、ないね。
 

OY:扱う情報量が多くなればなるほど差は出てくると思いますよ。前にクラムボンのミトさんも言ってましたけど、ピアノなどの大きなライブラリーを使うときに80-150hz辺りがすごく溜まりやすくて、そこの歪みが解消されると。(ミト美濃対談第3回参照)

堀江:情報量とのたたかいになってくるってことだろうね。全部読み出すわけだし、LOGICやPro Toolsなんかのホストアプリケーションに持ってって処理するわけだしね。
Caravan:単純にコンピューターベースになってさ、コンピューターとI/Oとの情報のやりとりが忙しくなってくると、動きが怪しくなったりするじゃない、エラーとか。そういうストレスはホントに出来るだけ避けたい。
 

OY:伝送ロスからくるデータエラーの軽減というメリットはあります。

Caravan:うんうん。それに使ってる人にきくと全然音が変わるっていうし、全然楽しくなるよって。

OY:堀江さんはデータ系の音源とか使います?

堀江:家で作業するときはコンピューターベースになってるから、サンプル呼び出したりも頻繁にするかな。でもまぁ昔に比べたらコンピュータの性能も良くなっ てるから付き合いやすくはなってきてる。あとコンピューターから出て来る音質に慣れてきたってのがある。ようやく。2000年とかその辺りかな、作業ベースが自宅のコンピューターに移行してきた頃は結構混乱したからね。どういうシステムがベストなのか全然わかんなかったし、これからどうなっていくんだろ
う?って。

OY:それ以前はどうやって?

堀江:その前はホントにスタジオ行って音を出さないとちゃんとした音は録れなかった。

OY:ちゃんとした音がわからない。

堀江:うん。今でもそういうやり方ではやってるけど、今のDTMの環境と照らし合わせた時に自分なりの音が自宅でもちゃんと出せるようになったっていうのは、ここ数年かな。

OY:整ってきてるというか。

堀江:全部が安定してきて、自分もその中で正しい、自分らしい音っていうのを選べるようになったから。あんだけサンプルライブラリーや機材が多かったりする
と何が正しいのかわかんなくなってくるじゃない。その中でこういう安定した状態になるのに10年くらいかかったけど、今は音楽制作を自宅でやったりするのが段々楽しくなってきてるよね。

OY:それは感覚的になってくるということですか?

堀江:そうだね、接続とかも安定してるからすぐ音が出せるし。昔は音出すまでに結構時間かかったけどだいぶ早くなった。
Caravan:それ大事だよね。イヤんなっちゃうもんね、音出す前に。

OY:デジタルの波が一気に来た時はつなげば音が出るってわけではなかったですからね。やれサンプルレートがどうこう、マスタースレーブがどうこうって。デジタル機材の電源いれる順番があったり。

Caravan:セットアップで何日も悩んだり。
堀江:そう。あとレーテンシーの問題が大きかった。生のミュージシャンは結局そことのたたかいで。モニタリングしてる音と、実際に弾いている感覚がほんの
ちょっとでもズレるとすごいいやで、それがどんどん重なってくとどんどんズレていくから、最後にはもうどれが正しいのかわかんなくて。あと自分の弾いたも
の、強さとかが波形で画面に出てくるのもすごくイヤだった。そこはもう神秘なものだったからね(笑)。
Caravan:やんわり(ぼんやり)しといて欲しいんだけど。全部可視化されちゃったみたいな。

OY:いやがおうにもね。

堀江:気が滅入っちゃったりして。
Caravan:今はそこら辺の付き合い方が慣れてきたっていうのはあるかもしれないね。見過ぎないようにするとか。

OY:ちょっと不便なほうがちょうどいい?なんでもできちゃうと逆に何をしたらいいのかわからなくなっちゃう。

Caravan: それは全体的にいえるのかもしれないね。でも一回便利なとこに行っちゃうとそれがスタンダードになっちゃう。そこから離れるのが怖いというか、手放しちゃ
うのがなんか危険な気がするというか。でも前はなくてもやってたものだったりするんだよね。利用と依存のバランスというか。結局自分が何を選んで、どうい
う音を出したいか、そういうとこから考えないと流れてっちゃう。
堀江:全てが”いい音”っていう基準よりかは、手元にある音ってのが大事だったりとかする。それを別に他人が悪い音だろうって言おうが、これはオレの音だからこれでいいんだって。
Caravan:そうだよね。自分にとってのね。
堀江:もちろん”誰か”がいい音っていうのは気にするけど、それが自分と肌が合わないんだったらそれは”違う”音なんだよ。いい音だけど違う音。これは今ま
でいろんな音楽聴いて培った感覚で、こもってようがいわゆる劣悪な音だろうがメッセージは通じていて、そんな風にこれからも旅気分で自分の音をずっと追求
していくんだろうな。旅気分といえばさ、海外だとどうなの?
 

OY:展開唐突ですね(笑)。どうですかね?マーカス・ミラーさんやレイ・パーカーJr.さんなんかも使ってますよ。

Caravan:なんて言ってるの?
 

OY:いやもう、よくなった、と。(笑)

Caravan:ざっくりしてる。(笑)モアベター。
堀江: (笑)。NYのセッションミュージシャンとかそういうとこに命かけてそうな感じするから。

OY:今、NYのQUAD STUDIOっていうスタジオでケーブル試したレポートがあがってきて、この後導入されていくかなっていう流れになってるみたいです。

堀江:あとさ、NOAHのキャンペーンも見たよ、スタジオで。

 ─OY:NOAHのスタジオで?行ったりするんですか?

堀江:行くよ、練習する。初台で。そういうのとかも若い子が気づくきっかけになるよね。昔はそんなの無かったからさ。

OY:案外リハーサルスタジオでレンタルとかするとリアクションがリアルというか。

Caravan:あぁ貸すんだ。そこで試せるんだね。それはいいね。そんなの最高だね。

OY:ギター・シールドは勿論なんですが、今は簡単な録りのセットを貸してて。

Caravan:レコーディングパックだ。

OY:そうそう。電源タップのOCB-1 SXとd+Firewireと、マイク用でCaravanも使ってるPA-02とQAC-202。これで合う方使って録ったみたらいいんじゃない?、っていうコンセプトで。

Caravan:QAC-202はマイクいいんじゃないかな。

OY:そうですね。マイクとの相性もあるし、声との相性もあるから、組み合わせによって選べるように。楽器と同じくらい可能性がひろがる。

Caravan:実感としてね、レビュー読むだけじゃなくて、あぁこう変わるんだとか。耳も鍛えられるし。

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