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自分の作品で歪んだギターっていうのは軽はずみに入れらんない。(Caravan)
Caravan:薄っぺらい歪みってホント薄っぺらいじゃない、どんなにいいペダル踏んでても。歪みってやっぱ一番難しいからさ、今の若い子なんかもみんな歪ませてるけど、グッとくる壊れ方みたいな音を出してる人ってあんまりいなくて。そういうのがちゃんと出来る人っていうのは、やっぱりそういう人なんだろうね。
堀江:生き様なんかもあるんだろうね。感覚がそこにちゃんとあって表れたりとか。
Caravan:ディストーションとして単に歪ませるんじゃなくて、音色の一つとしてすごく突きつめてる感じ。
堀江:内面とかその本質的なものとか、そういう次元で。そうなるとセオリーとか関係なくなってくるからね。コレとコレを使えばもう最高!みたいなセオリーとかは簡単に壊せる感じになってくる。そうやって壊していかないと音って面白くないっていうか。
Caravan:軽はずみに歪んだギターとか入れられないもん。
堀江:Caravanは歪みに対しては、すごく厳しさを持って捉えてるよね。
Caravan:自分なんかは逆に出せないから、そういういい歪みがまだ。だから自分の作品で歪んだギターっていうのは軽はずみに入れらんない。
堀江:研究してるんだ。
Caravan:いやでも、むっずかしいよねー。
堀江:わかんないよ。50歳くくらいになって、ズンってやったらニールヤングみたいな音出てるかもしんないよ。
Caravan:マーク・リボーを去年フジロックで見たんだけど、すっげーいい歪みしてて。なんて言うんだろう、なんかこう波形が見えるっていうかさ、いびつなんだけど整ってて、きったないんだけどキレイだなーっていうさ、すっげーいい音だなぁって思って。
Caravan:そういう歪みだったら鳴らしたいと思うけど、まだ全然そこまで行けてないからね。
堀江:極論言えば、ホント一音をただ単純に追い求めているっていうのに近い。Caravanとのデュオも、そういう歪みの”ジャン”っていう音を出せれば、一音でいいんだよね。僕もやっぱそういう一音を、LIVEとかでは追い求めてる感じはあるな。演るまではふざけててもその一音が出た瞬間に、次の日から何か変わるなっていうのはいつも思う。
Caravan:なかなかね、めんどくさい世界ですよ(笑)。
堀江:試行錯誤してる。
Caravan:ケーブルのせいにしてみたり(笑)。
堀江:はんだのせいにしてみたり(笑)。でも出したい音っていうのは結局は自分の中からしか出て来ないものだからね。
Caravan:楽器がなんだろうがいい音出す人は出すし、って言っちゃうと元も子もないですけど。でもよりそういう気持ちにさせてくれるケーブルとか、よりそういう気持ちにさせてくれる楽器やアンプとかさ、そういうやっぱ自分の好きなものに囲まれてやらないとそういうモードに切り替わらないもんね。
Caravan:その気になる、まず自分のスイッチ入れるみたいなところでは、この楽器があってこのアンプがあって、さらにこのケーブルがあってっていう、そういう自分を安心してむきだしのとこに持ってける環境を作れるなら作りたいし。ま、なくてもやるけどあったらその方がいいもんね。
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