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「マイクを通すと届かないところがあったんですが、そういったものも届けられるようになった気がします。」(伊藤大助)
─ 終演後、3人にお話を伺った。─
OY:グレッチ大活躍ですね。
伊藤:はい(笑)。昔から好きな人はいるんですけど、あんまり日本に入ってこないし、レア感はありますね。グレッチがドラム?っていう人もいますしね。
OY:グレッチのドラムっていうとVintageなイメージがあるんですけど。
伊藤:そうですね。でもこれは現行のモデルなんです。実はちょっと前のモデルなんかはそれほどでもなかったんですけど、最近のモデルは素晴らしい出来ですね。
OY: 確かにドラムの音、すごくいいですよね。今日もリハから本番と聴いてて、正直びっくりしました。
伊藤:鳴ってたか鳴ってないかのギリギリの音を叩いた時、あー、これ聴こえてないんだろうな、と思っていた音が、ケーブルを全部QAC-202とPA-02に変えてから全部聴こえるようになったんです。基本生音で表現しているので、マイクを通すと届かないところがあったんですが、そういったものも届けられるようになった気がします。
伊藤:そうですね。録られる前のコントロールはかなり気を付けてるんです。それをちゃんと、その分をケーブルがちゃんと伝えてるっていうのはありますね。
伊藤:LIVEでこんなにやりやすいっていうのは。どこ行っても大体同じレベルで出来てます。
伊藤:昔はスタジオミュージシャンとかでいましたけどね、でもケーブルまでっていうのは、あんまりいないかな(笑)。
OY:ツアー終盤に遂にシステムが完成して、どうですか?
原田:うん。大分でのLIVEの時、楽器周りからPA周りまで、全部OYAIDEに変わって音を出した瞬間はもう、鳥肌が立ちました。リハの時なんだけど、正直泣いちゃった(笑)。
OY:ホントですか。うれしいです(嬉)。
原田:感動しちゃって。自分達でなんですけど(笑)。自分たちで音出して感動して、なんてオメデタイ(笑)。
OY:(笑)すばらしい。でもそれはなんでなんでしょう?なにが違ったんです?
原田:いろいろ重なったんだと思う。場所が酒蔵で本当に音がクリアで、無駄な反射がなくて。
OY:酒蔵っていうのはそういう場所なんですか?
原田:割とその時の会場がそういう傾向だったのかな。他の会場に比べて、よりわかったっていうのはあるんですけど、『違い』が。にしてもですよ、
OY:にしても?
原田:にしても、いや本当にね、音楽やってて良かったな、っていうくらい。
OY:ベタ褒めじゃないですか(嬉)。
原田: (笑)ミトくんが言うには、この音はLIVEでの音、今まで聴いたこともちろんないし、聴ける音じゃないよねって。レコーディングとかで聴いてるのと同じようなクリアさ。言葉にしてもそれぞれの音の粒立ちにしても。それぞれが立ってるのに、なぜかすごく包まれる、広がりがあって、”ぞわぁ~”ってきたんです。そっからまた新しい、これだけまわってきたのにまた新しいツアーが始まったという感じだったんです。
OY:ISOCHRONE 10M導入したりマルチケーブルをPA-08に変えたりして、ちょこちょこ8月の初めから手を入れてたと思うんですけど、それが劇的に変わったのが大分だったってことなんですね。
原田:そうですね。あの日全てがバチって。
原田:それぞれのパワーとかも、物理的には上がったと思うんですけど、なんだろう、なんか、説得力、音、音楽そのもの、他の事は何も考えなくてもいいっていう、ひたすらいいっていう。
原田:それってスゴイことだってのが、やってくると良く分かる。何も考えなくてもいいっていうのが、どれほど贅沢なことか。
原田: (神妙に)変わってきます・・・既にその大分でも変わってたし。
OY:それはノリが変わるということ?エモーションとか、
原田:すごく突き詰めていくと、やっぱり聞こえていない分を聞こうとするんですよね、プレイしながら。だから、一番、私なんかモニターを後ろに背負ってあのスピーカーから声を聞いてるんですけど、なんかやっぱり、どっかでもっと”聞きたい”っていう意識を持ってて、その分の意識を傾けて聞きながら演奏してるから、聞こえ方によって歌い方ってすごい変わってて、っていうことはすごく環境に左右されてもいるってことなんですけど、それがまずね、力が抜けたってことですかね、無駄な。無駄な力を入れないで(音を聴いて)プレイした結果、鳴ってる音楽の説得力が格段に上がったっていうのかな。
OY:中音が、モニターが良くなったってこと?
原田:でも中音っていうのは外との、やっぱり関係性の中で、外音の鳴りも聞きながらやってるから。それがたぶんね、すごくいろんな条件が大分の時は合った日だったんだと思う。で、そこからまたそれぞれ九州の中でもかなり会場(のタイプとか)違ったので、それぞれまたいろんな音だったんですけど、まったく問題なくて。聞こえてくる音を信頼できるからその分の神経も使わなくて済んじゃう。でも変な話、これだけどこがいいですか?っていろんな場所でやってきたんですけど、ここまで来ると、もしかしたらどこでもいいかもしれない、よ?(笑)。
原田:かもしれない(笑)。なんかその、なんて言うんでしょう、バンドの筋力、勘、経験、プラス、質のいい道具がそろってきたというか。
原田:ですかね。
原田:そういう領域に入ってきましたね(笑)。これは本当にミュージシャン冥利につきるというか、音を出す喜びを、毎度噛みしめられるなんて、毎回毎回新鮮だなんて、、、ね。幸せなことだと思います。
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