COLUMN
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世界に誇れる日本のミュージシャンを紹介する音楽番組「MUSIC SHARE」。
今年2回目となる『MUSIC SHARE #98』は2月28日に配信されました。
収録場所は著名なミュージシャンも度々訪れるオーディオテクニカの「ASTRO STUDIO」です。
2022年の2番手は、気鋭のサウンドデザイナーで音楽家の「佐藤公俊(Kimitoshi Sato)」さんが登場です。
佐藤さんは、世界各地で採集したフィールドレコーディング素材と電子音を組み合わせた楽曲制作を手がける制作スタイルで、様々な公共空間や商業施設・オフィスのサウンドスケープデザインやWebコンテンツの楽曲制作から、CM音楽やラジオ番組のサウンドプロデュース、ファッションショーや舞台芸術・ダンスカンパニーの劇伴など、たいへん幅広い活躍をされている音楽家です。
また、改造したオープンリール式のテープレコーダーを楽器として演奏する音楽ユニット「Open Reel Ensemble(オープンリールアンサンブル)」の元メンバーであり、その後も同じく“オープンリール”の元メンバーであった難波卓己さんとの電子音楽バンド「Mother Tereco」としても活躍。さらにはシンガーソングライターのMaika Loubté(マイカ・ルブテ)さんのライブでもサポートメンバーとしてマニピュレーターを務めたりもされています。
MUSIC SHAREへは、Mother Terecoとしても一度出演されたことがありますね。
そんな多彩な魅力を持った佐藤公俊さんが、今回のMUSIC SHAREではソロライブセットを披露してくれました。
撮影当日、収録が行われたオーディオテクニカのAstro Studioに佐藤さんが入られ、まずは機材をセッティングしてサウンドチェックを行いました。
Mother Terecoの時は、高く積まれたモジュラーシンセや物量多めの機材に囲まれた要塞のようなセットでしたが、それに比べると幾分シンプルなセッティングの印象です。
それでも持ち込みされたのは、16chのアナログ/デジタルミキサー「KORG MW-1608」と、ミックス/マスタリングエンジニアとしても活躍される佐藤さんだけに、サウンドクオリティへのこだわりがしっかりと伝わってきます。
実は以前、Mother TerecoのMUSIC SHAREのライブに感銘を受け、当時関わっていた日本科学未来館で行われたMUTEK.JPへ出演オファーをしてブッキングしたことがありました。その数年前にも、オープンリールアンサンブルでRAINBOW DISCO CLUBにも出演してもらうなど、佐藤さんと現場でお会いするのは恐らくこれが3度目。
撮影の現場ではそんな昔話には特に触れることもありませんでしたが、今回初めて佐藤さんとゆっくりお話しする機会もいただけました。その雰囲気からはもう少し機材になどに精通したオタク気質で気難しそうな人柄を想像していましたが、とても気さくで丁寧な人柄で、気楽に音楽やケーブルのことなどについてもお話しいただけ、大変魅力的な方でした。そうしながらもサウンドチェックに向けて順調に機材とケーブルのセッティングは進んでいきます。
サウンドチェックが始まると、演奏曲を流しながら一つ一つの音のバランスを入念にチェック。
佐藤さんが紡ぎ出す、美しく繊細な音の粒とスケール感の大きいサウンドスケープに、サウンドチェックの段階から既にすっかりと魅了されてしまいました。
Mother Terecoのライブでは、佐藤さんと難波さんの2人が織りなすメロディが心地よく響く、どこかノスタルジックな趣も感じさせてくれるものでしたが、今回のソロのセットはまた全然違った印象。
恐らくフィールドレコーディングで収集されたと思しい自然音も混ぜられながらも、どこか退廃的でインダストリアルな雰囲気で硬質なサウンド。繊細な音作りと計算されたエンジニアリング。まるでSF映画のようなスケール感のある音場の広がりと世界観。言葉では尽くせない素晴らしい音楽がそこにありました。
これ以上の説明は不要ですね。
佐藤公俊さんの素晴らしいライブセットを是非MUSIC SHAREの映像で皆さんも体感してください。
(できれば、より良い音響環境でお聴きすることをお勧めします!!)
そして、今回もオヤイデNEOが、機材周りのワイヤリングをしっかりとサポート。
佐藤さんが持ち込んだKORGのミキサーへの入力部にd+ classB Serieseをインストール。開放感があるサウンドと音抜けの良さに貢献しています。たっぷり接続されたd+ケーブルは、その見た目もなんとも良い感じでグッときますね。
さらに、ミキサーのメインアウトにはPA-02 XLRを使用。作り込まれた楽曲群をロスなくスムーズにPA宅まで届けます。
そして一番大事なミキサーの主電源には電源ケーブルにVONDITA-Xを採用。
存在感のある赤色が目を引きますが、その実派手な変化をもたらす訳ではなく、大元からの解像度の底上げとレンジ感の改善、中域から低域にかけての厚みを付与する事で音像の艷やかさを引き立てます。
エフェクターやPCの電源供給にMTB-6Ⅱ+TUNAMI GPX-R V2の組み合わせと、OCB-1 AXを採用し、VONDITA-X同様に解像度を底上げし、S/N比の改善を促すことでより細やかな表現をしやすくなるよう心配りをさせて頂きました。
佐藤公俊(Kimitoshi Sato)
音楽家・サウンドデザイナー。
世界各地で採集したフィールドレコーディング素材と電子音を組み合わせた楽曲制作を手がける。
そのスキルを生かしたワークスは、様々な公共空間や商業施設・オフィスのサウンドスケープデザインや Web コンテンツの楽曲制作、広告音楽やラジオプログラムのサウンドプロデュース、ファッションショーや舞台芸術・ダンスカンパニーへ提供する劇伴など多岐に渡る。
またミックス・マスタリングエンジニアとしてのノウハウやハードウェアの知識を生かして、音楽専門誌への寄稿やアーティストのライブサポートもおこなっている。
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【 MUSIC SHARE #98:CREDITS 】
Host / VJ : 本田みちよ (Michiyo Honda)
Audio Engineer : 齋藤梅生 (Umeo Saito)
Videographers : 大塚雄一郎 (Yuichiro Otsuka) / 小林侑(Yuu Kobayashi)
Lighting Design:角戸亮祐(Ryosuke Kakuto)
Editor : 池内万作 (Mansaku Ikeuchi)
Photography : 小川貴弘 (Takahiro Ogawa)
Animation:OHRYS BIRD
Logo•Web design : 山下泰延 (Yasunobu Yamashita)
Supported by Audio Technica Astro Studio & NEO created by OYAIDE Elec.
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