COLUMN
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ライブの現場で使用されているオヤイデ/NEO製品にスポットを当て、それらの魅力を紹介する企画『OYAIDE Live Report』。
第12回は2025年2月15日に行われた、ストレイテナー 『The Ordinary Road Tour』@豊洲PITのレポートです。
ストレイテナー
1998 年ホリエアツシ(Vo, Gtr ,Key)とナカヤマシンペイ(Dr.)の2 人で始動。
2003 年メジャーデビューとともに日向秀和(Ba.)が加入。2008 年には大山純(Gtr.)が加わり、鉄壁の4 人編成に。
常に新たなる革新性を求め、刺激に満ち溢れた楽曲を生み出し、ファンのみならず多くのアーティストからも支持を受けている。
幕張メッセ、日本武道館などでのワンマンライブや数々の大型フェス出演を誇る屈指のLIVE バンド。
昨年秋には通算12枚目となるオリジナルアルバム「The Ordinary Road」をリリースし、今年3月まで全国ツアーを開催。
さらに、今年6月には東京&福岡にて、7年半ぶりの主催対バンイベント「BROKEN SCENE 2025」の開催が決定している。
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そしてその時は、会場の暗転と共に訪れる。
『STNR Rock and Roll』が流れ、大歓声と手拍子の音が会場を包み、真紅に降り注ぐ照明が高揚感を一気に高める。
1曲目は、最新アルバム『The Ordinary Road』から『リヒトミューレ』。
色鮮やかで軽やかに弾む音の数々。その一音一音に纏った芯のあるそよ風の様な、テナーらしい一曲。
リヒトミューレは、光によって回転するドイツのオブジェを指し、リヒトはドイツ語で光を表す言葉。
本楽曲もそれに漏れず、優しい光を連想させ、ライブ開始直後の猛った我々ファンを、諭し包み込む様な、そんなスタートだと感じた。
6曲目に披露されたのは『工場夜景』。
これまでのテナーとは異なる視点からのエモーショナルを感じる一曲。湾岸道路から眺める断片的な工場群の景色、本来知らないはずのそういった景色が呼び起こされる程、楽曲とマッチしたタイトルだ。
そして、まるで春の夜に感ずる爽やかな一風のような、清涼感と疾走感が、会場をさらりと駆け抜ける。
テナーのレポ中に他バンドの名前を出すのは少し憚られるのだが、私は本楽曲を633というバンドに強く影響を受けた曲だと思っている。
ここだけの話だ。
続く8曲目『Zero Generation』でも、大山さんの枯れたクランチサウンドと、日向さんの憂いを帯びたベースリフのミックスが気持ち良い。
荒廃、焦燥を思わせる楽曲構成が何処か懐かしさを思わせてくれる。
ここ数年のストレイテナーの活動及び、最新アルバム『The Ordinary Road』には原点回帰のニュアンスを感じているのは、もちろん私だけではないはずだ。
本楽曲でも「0からはじめる」というバンドとしての強い意志の様なものを示してくれていた。
13曲目『インビジブル』
瞬く間に過ぎ去る金木犀の夜。そんな秋の一風景を儚く、そしてミニマルな価値観で印象付けてくれる楽曲。
ふと周りを見渡してみると、目を瞑り、彼ら4人が織りなす音に少しもたれ掛からせてもらう様な、心を預けている観客の姿が目に映った。
寄り添う音楽、寄り添える音楽。演者と観客のつながりを音を通して、感じる事が出来る柔らかな時間となった。
14曲目『パレイドリア』
ダークなイントロ、鬱蒼とした翳りがありながらも美しさに酔いしれる事が出来る楽曲。
ホリエさんが描くこの手の曲は絶品である事が、私の中では既に常識になっている。
楽曲も終わりを迎えるアウトロ、大山さんのインプロビゼーション。もがく様に、足掻く様に紡がれる一音一音に、心が締め付けられ胸を熱くさせる。
17曲目『COME and GO』。
最新アルバム『The Ordinary Road』の一曲目に相応しい、はじまりの合図を感じる、ポップで馴染みの良い本楽曲。
音源で聴いた印象以上に、観客たちの盛り上がりを感じる事となり、ここから一気に会場の熱は揚がっていく。
20曲目は、最新アルバム『The Ordinary Road』より先行トラック『Skeletonize!』。
耳に残るメロディやリフの数々、力強いメッセージ性、その全てに勇気づけられる。
本楽曲の先行配信でタイトルを知ったテナーファンは、驚きを隠せなかっただろう。
それは、インディーズ時代の1stアルバム『SKELETONIZED』の存在だ。
ここにも今作の原点回帰の要素を感じさせる。
一番最後の文字『D』の有無の違い…。
これに関しては、半ば妄想とも捉えられる私の考察もあるのだが、此処では控えておこう。
魅力的なのは楽曲性やその背景だけではなく、ホリエさんの歌唱法にもあるだろう。
千切れんばかりに叫び歌いあげる、かの時代を思い起こさせるホリエさんの歌い方。これには熱い思いを感ぜずにはいられない。
『テナーって昔と比べて変わったよねぇ』テナーファンを公言していると、こんな事を言われることも珍しくない。
そんな時、私は決まってこう答える。
『テナーは今が一番カッケェから』
自信を持ってそう答える事が出来る。本楽曲を聴いて改めてそう思わされた。
ラストは、アルバム『The Ordinary Road』より『Uncertain』。
“何の変哲もない道”
本楽曲冒頭で綴られるリリックであり、本アルバムのタイトルにもなっているワードだ。
言葉や文章の意味は、必ずしも作者が持つ考えに沿ったものである必要はない。
それぞれ自分らしい意図で、解釈するべきものだと思う。
今のストレイテナーらしいフィナーレであった。
ストレイテナーの皆さんの足元には、様々なオヤイデNEO製品が導入されていました。
Gt.Vo ホリエアツシ
ホリエさんのギターケーブルには『Ecstasy Cable』が使用されています。
ホリエさんより頂戴したコメントでは、
『第一印象は、「抜けてくる」です。
スタジオリハーサルなどで、アンプのレベルを低めに設定しても、こもらない。
クリーンのコード弾きでそれは顕著で、ストロークのタッチが伝わりやすく、レンジのバランス感も絶妙。
無駄な倍音のないクリアな音像が、快く抜けてきます。』
との印象を持たれていました。
Ecstasy Cableの最大の特徴である、中音域の抜け感と倍音の豊かさ。ギターリストが一番気持ちよくなる音を追求した本製品の魅力は、本公演でも遺憾なく発揮されていました。
またホリエさんの、ボード内のエフェクターは全て『DC-3398LL』で駆動していました。
エフェクターが本来持つサウンドを、より高解像度で再生するのにDC-3398LLは一役も二役も買っています。
全てのエフェクターに使用されていると圧巻ですね。
ステージ中央を彩るNord Wave/Nord Electro3の電源ケーブルには、『L/i15 EMX V2』、ステレオラインアウトのケーブルには『QAC-222G』がそれぞれ採用されています。
シンセ系の音色では、より図太いサウンドを。ピアノ系の音色では、より煌びやかで高いヘッドルームを実現するQAC-222Gは今回のツアーから導入されています。
この日はたまたまホリエさんが赤いTシャツを着用されていました。赤を纏ったホリエさん、赤いNord、赤いケーブルの3拍子が揃っていて、完璧でした。(何が?笑)
電源ケーブル『L/i15 EMX V2』もNordが持つ美しいサウンドを、さらに押し出す役目を担っています。
高解像度であり、高いダイナミックレンジ、高いスピード感というオヤイデらしいキャラクターがよく表れています。
Gt.大山純 / Ba.日向秀和
大山さん、日向さんのアンプの電源ケーブルには、『L/i50 G5』が採用されています。
楽器用にチューニングされた電源ケーブルであり、オヤイデのロングセラーモデルです。中音域に芯のある存在感を付与してくれます。
お二人ともに、中低音域のパワー感と音の立ち上がりの速さをご好評いただいています。
Dr.ナカヤマシンペイ
シンペイさんのモニター延長ケーブルには、弊社開発中の製品をご使用いただいていました。
極限にフラットな音質でありながら、圧倒的な柔らかさと高耐久を実現した製品で、本ツアーでもしっかりその役割を果たしてくれていました。
その昔、幼かった私は親兄弟に手を引かれるがまま、人生で初めてライブというものを観た。それがストレイテナーだった。
初めて体験する、観客達の異様な熱に圧倒されながらも、ステージで輝く彼らの音に、威勢に、その全てに心を打たれ、「俺も音楽をやるんだ」と語る、そんな遠い記憶が脳裏を掠めた。
今日は暖かかったとはいえ、やはり夜は冷え込む。その暖かさに油断して、手袋を忘れて来てしまった…。
だが今はそれすら愛おしい。
それになぜだか足取りも軽い。
何の変哲もない、このひとときをとても大切に思う事が出来る。
駅に向かう群衆の中、独り見上げた冬の空には、僅かに残る夕焼けの残滓が、永らえぬ万象の寂しさを語るのであった。
Writting by Yuuki Miura
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